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澪とは中学からの付き合いだ。
ミオって名前は女の子らしいんだけど、見かけや性格が全然だった。髪は短く、耳やうなじはバッチリ露出し、背も高いし腕も足も長い。陸上部の短距離選手で、脚線美というより筋肉美だった。顔立ちは『可愛い男の子』だし、男みたいな言葉遣いだ。
席が近くて、よく話をするようになった。好きなバンドが同じで、一緒にライブ観にいったり、映画にもいった。恋愛感情はなく、本当に友達ってやつだった。俺も澪も勉強はイマイチだから、レベル的に同じ高校に進み、腐れ縁だな、と笑った。
そんな高校二年の夏休み。
『暇だから遊んでくれ』と、澪から連絡があった。
猛暑が続いてたから、外出るのヤダよ、っていったら、ウチまで押しかけてきた。
「コウ一人なんだ、ご家族に気を遣ってシュークリーム買ってきたのに」
お袋は仕事で夕方まで帰らないし、兄貴は地方の大学へ行っていて、家を出ている。
「ま、いいや、食え」
と、シュークリームの箱を放ってよこす。澪が放り投げたので、形が悪くなったシュークリームを食べ、ジュースを飲みつつ、いつもの馬鹿話で笑い合った。だが、様子が変だ。普段から明るいやつだけど、無理して笑っていると言うか……それに、部活はどうしたんだ、休みでも練習はあるだろうに。
「今日、変じゃね?」
「何が?」
「元気ないように見える、それに部活は? 調子でも悪いのか」
澪の表情に翳がさす。
「部活はサボった、出る気しなくて」
「何かあったのか?」
「別に」
「あのなあ、そんな顔して『別に』つっても説得力ゼロなんだよ」
何度か促すと、澪は訥々と話し始めた。
最近、陸上部の先輩から付き合ってくれと言われた。
『好きな人がいるから』と断ったら、あっさり引き下がった。
その数日後、件の先輩が他の部員と、
「お前らがイケるっつうから告ったのによ、生意気に断りやがんの」
「あんな男女が告られる事なんて二度とないのに何様だよ」
「でも先輩も物好きっすね、あんなのがいいんすか?」
「ああいうのを抱いとくのも悪かないかと思ってさ」
笑いながら話しているのを聞いてしまった。
「なんだ、それ!」
思わず激昂した。酷い奴らだ、許せん。
「いいって……あたしはこんなだもん、どんなふうに見られてるかぐらいわかってるよ」
「でも……!」
「いいから」
澪の目に涙が溜まっているのを見て、俺はたじろいだ。
「ま、まあ、でもあれだ、澪は女の子だよ、俺が保証する」
「下手な慰め方」
「好きな奴いるんだろ、いいじゃん、女の子らしいって、ほんとに」
「……コウがその相手だって言っても、そう言える?」
一瞬時間が止まる。
「ごめん、帰るよ」
立ち上がる澪の腕を掴んだ。
「待てよ」
「離してって!」
揉み合う形になり、バランスを崩してベッドに倒れ込んだ。
澪の泣き顔がなんだかとても可愛く見えてキスをする。
シュークリームの味がした。
「お前、今俺のこと好きだって言ってくれたじゃん」
「あ、あれは……」
「俺も澪のこと好きだ」
耳や首筋にキスの雨を落とすと、澪の体から力が抜けていく。
「嘘、でしょ」
「嘘でこんなことできるか」
サマートレーナーをたくし上げ、ついでにブラもずり上げて、桜色の乳首に吸い付く。澪はオッパイがでかい。ちょっと固めだけど弾力があって揉みごたえもある。澪のジーンズのボタンを外し、チャックを下ろした。
「いいよな?」
澪は無言で顔を背けたが、拒否もしなかったのでOKと見做す。
全裸の澪の両脚を押し広げて、顔を近づけていく。
「やだ、そんなに見るなよ」
「なんで? とても綺麗だよ」
陰唇を指で割開くと、にちゃ、と微かな音がした。
そっとキスするように口をつけた。
「ダメ……シャワー浴びてないし……!」
「構わないよ、俺は」
確かにすこしにおったが、嫌な臭いではない。まさにフェロモンってやつだ。
クリトリスを舌先でツンツンしてやると、「ひぃやあああああ!」とおかしな声を上げて、体を震わせた。
ひと息ついていると、「なんであたしだけ裸なんだよ、コウも脱げよ!」と、言ってくるので、俺も全部脱ぎ捨てた。
「キャ!」
澪は目を丸くして口を押さえる。
「脱げっつうから脱いだのに、なんだその反応は」
「だ、だって、それ……ええ〜!」
俺のチンポは臍にくっつきそうにそり返っていた。
「は、初めて見た、勃起したオチンチン」
「澪は男の裸を見たことあんのか」
「お父さんのだけだよ……そんなんなってなかったし」
娘の目の前で勃起する父親なんていないだろうよ。
「さ、触っていい?」
「おお、いいぞ」
おそるおそる手を伸ばしてくる。
「うわ、すっご、かった……あっつい……」
「手を動かして……そうそう……嫌じゃなかったら、舐めてくれると嬉しい」
「こんな感じ?」
扱かれながら先端を舐められ、痛痒いような快感に思わず呻く。
「痛いの?」
「いや、気持ちいいんだよ……歯が当たらないように咥えて……こうやって頭も動かして」
じゅぶじゅぶ、と唾液を滴らせながら唇で扱かれると、ビクンビクンとチンポが痙攣する。
やばい、これ以上されたら出る……!
腰を引いて澪の口から逃れ、なんとか射精欲を押さえつけた。
「したいけど、コンドームないや」
「あたしもしたい……外に出してくれたらいいよ」
亀頭を陰唇に押し当てた。
「初めて、だよな?」
「うん……コウは?」
「俺もだよ」
深呼吸してから、ぐいっと押し入った。
「いッ……た!」
澪が苦痛に顔を歪める。
「大丈夫か?」
「いいから、気にしないで、して……」
粘膜を引き剥がすように根元まで一気に差し込む。
ひぃ、と澪が喉の奥で悲鳴を漏らした。
「動くぞ、痛いけど我慢してくれ」
俺は徐々に抜き差しを早めた。
「いッ……! あッ、んッ!」
澪の目尻に涙が溜まり、唇を硬く結んでいる。ああ、すげえ……熱くてヌルヌルしてる!敏感になったチンポが、粘膜と襞に擦れる感覚がたまらない。イきそうになって、体を離そうとしたが、澪の腕が背中に回され、筋肉質のしなやかな脚が俺の腰をがっちりと抱え込んだ。
「コウ、好きぃ!」
「ば、ばか、お前……!」
出口に殺到していた精液は止まらず、澪の膣内へ一滴残らず注ぎ込んだ。
「うわ、すご……」
血液混じりの精液をティッシュで拭い取りながら、澪が呟く。
「どうすんだよ、おい」
「うふふ、ヤバいね、でも一回くらい大丈夫だよ」
涙が渇ききらない子供みたいな笑顔に、ギュッと胸の奥が痛くなる。
「あたしね、ずっとコウが好きだったんだよ」
「俺もそうだったみたいだ、今気づいたけど」
堪らなく愛おしい気持ちになって、澪を抱きしめてキスをした。
結果的に彼女は妊娠していなかった。本当に妊娠したのは、社会人になって一緒に暮らし始めてからだ。
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